ホワイトカラー消滅

『ホワイトカラー消滅: 私たちは働き方をどう変えるべきか』という本が、少し前に話題になりました。
ざっくり言うと、「ホワイトカラー(≒事務職)はAIに取って代わられるので、これからは医療・福祉をはじめとする現場の仕事に、AIを活用しながら移行していこう」という内容の本です。
 
AIによって多くの仕事が代替される、という話はかなり前からされており、実際に仕事を失った人もいるようです。
とはいえ、AI以前にも、技術革新によって無くなっていった仕事はいくらでもあります。
たとえば19世紀ごろには「ラッダイト運動」といって、紡績機の発明によって職を奪われた人々が、機械を壊して回るという出来事もありました。
 
私たち建設業においても、現在では重機が行っている作業の多くは、かつては人力で行っていたものであり、
発明があるたびに作業が楽になる一方で、仕事を失ったり、別の職種へ移らざるを得なかった人もいたことでしょう。
このように、技術革新によって仕事がなくなるという現象は、これまで何度も繰り返されてきました。
そう考えると、AIの進歩によって多くの仕事が代替されるという見方も、これまでの技術革新の流れの一つに過ぎないとも言えそうです
 
 
幸か不幸か、建設業、特に土木作業員の仕事は、AIに代替されにくい職種として挙げられることが多いようです。
とはいえ近年では、たとえばコンクリート3DプリンターやICT建機など、生産性向上を目的とした新しい技術が普及し始めています。
「生産性向上」が課題であるということは、裏を返せば現時点では生産性が低い、ということでもありますが、
逆に言えば、まだまだ伸びしろがあるとも捉えられます。
そうした新技術をうまく活用しながら、よりよい仕事をしていきたいものですね。